審判
2002
鉄、木、ゴミ、ゴミ袋
w1400mm h2300mm d1400mm(企画案のみ、実現せず)
Judgment
2002
Iron, tree, garbage, garbage bag
w1400mm h2300mm d1400mm(Only plan, plan is not realized)
この作品は、取手リ・サイクリング・アートプロジェクト2002参加のために、茨城県取手市の古利根沼に設置することを前提にプランニングした作品です。企画案審査で中沢新一氏の支持を得るも、選出に至らず、実現しなかった作品です。
コンセプト
古利根の自然と私達の関係を視覚化する。
屏風のような森に守られた水面。屏風は高く美しいが、決して厚くはない。それは私達が木々が生きれる場を定めてしまったから。
そしてこの木々、水面も官と民の狭間で運命は浮遊したままである。(古利根沼の水面は公有地ではなく、昭和はじめに払い下げられている。1984年宅地開発申請が出され、議会で却下された後も、再度、他の業者から開発申請が出され、共有地分割の調停1989〜91年も不調に終わっています。)生息可能区域の限定、そして、その限られた場ですら今、危うい。
そんな現状を自分の仕事と結びつけ、表現したい。
1,4m四方の鉄板に穴をあけます。ここが私の定める木が生きれる場所。ここに植樹を行い、生育を待ちながら、同時に、ここ古利根に私達が残した爪痕を探します。
この水辺にゴミを置いていくことを、この沼が無くなってもかまわない、という意志と捉え、その票を拾い集めるのです。
最後に木々を脅かす力の象徴として、100本の棘を鉄で束ねた、責め具を、植えた木の上の宙に浮かせ、その上に、ゴミの票を袋に入れ、積み重ねていきます。この責め具が、ゴミの重さで落ちていくことはありません。しかし、視覚的な審判の役割は十分に果たせるものです。