個人用御輿
2005年
ガラス繊維強化プラスチック、鉄、木、
千代紙、ウレタン塗装
personal MIKOSHI
2005
fiberglass reinforced plastic , iron ,wood ,
chiyogami paper , urethan paint
みんなで〜できない
より正確に表現すると、これらは「みんなで担げない現代御輿」
高村光雲の手による御輿が近くにあると聞き、この個展の無事を祈りに昨夜訪れた。その御輿、最近は担ぎ手が集まらず、出番がないという。
みんなで担ぐには、理由がいる。仕事、遊び、好きなこと、嫌いなこと、時間、場所。いろんなことを共有して初めて、訪れくるハレと肩にかかる重さを共にわかちあえるのだろう。
今朝、たった一人この場所で、僕はこの樹脂でできた、軽い御輿を背負い、鏡に映るその姿になにやら納得ができた。いろいろなことを共有し、皆で一緒に担ぐよりも、自分のハレの日にこうして一人、祭り気分を味わう方が、なんだかラクにゆける。きっとそんな人が増えたのだろう。
御輿の形を借り、それを背負う人の姿を借りて、今の自分を含めた人の姿を彫り起こす。これら御輿達、そんな試みの展示。
今日からは、少し離れたベンチから、他人が一人この御輿を背負う姿を見つめ、わかちあえない今を納得できたりするかもしれない。
それとも、わかちあえる何かが見つかるだろうか