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contemporary sculpture
2007 | works

犬張り子 ジャップスカル   Inu Hariko [JAP Skull] 

犬張り子 ジャップスカル

2007
ガラス繊維強化プラスチック ウレタン塗装
w370mm h400mm d210mm

Inu Hariko [JAP Skull]
2007
each H400 W370 D 210mm
Fiberglass-reinforced plastic, Urethane paint

 

 

 

 

 

 

 

犬とのかかわり

私は犬というフレーズに、どうしても悪いイメージを重ねてしまう。
「あいつは社長の犬だ」といったような用法に代表される、「従属」さらには「隷従」というイメージを浮かべてしまうのだ。これは、漢字の「犬」というフレーズに対しての連想で、街にいる犬たちに対しては、その個性の方に目がいき、あまり「隷従しとるな」とは思わない。

今まで作品のテーマに犬が登場したことが二回ある。2003年に制作した「平和だと太る」から続く、太ったコマ犬シリーズと2006年に連載彫刻シリーズの中で制作した「政犬交代」である。

「平和だと太る」のシリーズでは、旧ソ連の崩壊により、日本が対共産圏防波堤的な役割を失い、「仕事のないコマ犬」つまり、大切なものを守る役割を失った飾り、として寝そべり、太りゆく様を作品にした。「政犬交代」では対米追従路線を引き継ぎ、首相補佐官制度などで、よりアメリカ色を強めた安部政権の発足を犬により描いた。

私の中で「犬といえば日米関係」というように、若干、あたまの回線がショートを始めている。そんな私が「犬張り子」というフレーズに出会ったとき、「なんとすばらしい組み合わせなのだろう」と思った。

犬張り子はもともとは紙製の伝統工芸品で子供の発育などを願って作られるものらしい。しかし、私にとっては「犬」であるのみならず、中身が無く虚勢を張る様にも用いられる「張り子」でもある という犬張り子は、私の作品、そして日米の現状を抽出するのに、これ以上のものは無いと思われる題材となった。

今回は、この犬張り子達に刺青を入れた。刺青は一度入れると一生とれないものなので、日本が背負っているものを含ませるよう、絵柄を考えた。一応簡単に解説を入れておこうと思う。

1.桜吹雪に九条  遠山の金さんの桜吹雪に日本国憲法九条の「戦争の放棄」の英訳をアレンジ
2.ジャップスカル  日本人への蔑称、JAPとスカル
3.髑髏に鯉  広島の被爆建築、旧日銀広島支店での展示の為に制作した広島バージョン。カープと髑髏
4.錦帯橋に鷲  名勝 錦帯橋近くの本能寺での展示の為に制作した岩国バージョン。在日米軍厚木第五空母航空団の岩国基地への移転をテーマに錦帯橋と米国国鳥白頭鷲を入れた。
5.スターオクトパス  星印の蛸と日の丸。逆側には「OCCUPIED」OCCUPIEDはOCCUPIED JAPANで占領下の日本という意味。
6.51  The 51st state は51番目の州という意味。
7.星抜き龍  全面彫りの龍を邪魔する星印をイメージした。

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